Advanced#
Device#
量子アルゴリズムをシミュレータ上で実行する際の、シミュレーション手法を選択します。 以下の2つから選択できます。
state vector simulator#
量子状態の状態ベクトルを直接的に扱い高精度に計算する手法です。
シミュレータ上では量子状態ベクトルに直接アクセスできるため、本手法を用いてエネルギー等の物理量の期待値を厳密に計算する事が可能です。
なお本手法による計算結果は、sampling simulator
においてサンプリング回数が無限大の極限に相当します。
sampling simulator#
実際の量子コンピュータにより近い、測定によるゆらぎの影響を含めたシミュレーション手法です。 量子コンピュータ実機では状態ベクトルにアクセスできないため、物理量の期待値を、量子回路の実行・測定を繰り返す「サンプリング」により計算します。 実機により近い条件でのシミュレーションを行いたい場合、こちらを選択します。
物理量の一度の計算に用いられるサンプリング回数は、number of shots
欄で指定できます。
Excited States#
電子励起状態の計算に関する設定を行います。
Num excited states#
計算する励起状態の数を整数で指定します。基底状態はこの値に含めません。
Solver#
励起状態の計算手法を指定します。
SSVQE#
Subspace-search VQE (SSVQE)を用いた計算を行います。
SSVQEのコスト関数 \(\mathcal{L}(\theta) = \sum_{i=0}^k w_i \langle \psi_i(\theta) |\hat{H}| \psi_i(\theta) \rangle\)
における、 \(i\) 番目の状態に対応する重み係数 \(w_i (>0)\) を
SSVQE Weights
欄に w_0, w_1, ...
のように入力します。
Num excited states
の値が \(k\) のとき、全部で \(k+1\) 個の
重み係数を入力します。
また、 \(w_0 > w_1 > ... > w_k > 0\) を満たす必要があります。
例えば \(k=3\) の場合、 4.0, 3.0, 2.0, 1.0
のように入力します。
VQD#
Variational Quantum Deflation (VQD)を用いた計算を行います。
VQDのコスト関数 \(\mathcal{L}(\theta_k) = \langle\psi(\theta_k)|H|\psi(\theta_k)\rangle + w \sum^{k-1}_{i=0} \left| \langle\psi(\theta_i)|\psi(\theta_k)\rangle \right|^2\) における重み係数 \(w (>0)\) を VQD Weights
欄に入力します。
Penalty term weights#
最適化のコスト関数に物理量 \(\hat{O}\) の寄与によるペナルティ項 \(\sum_i w_i \langle \psi_i(\theta) |(\hat{O}-o_i)^2| \psi_i(\theta) \rangle\) を取り込みます。 ここで \(w_i (>0)\) はペナルティ項の重み係数、 \(\hat{O}\) は取り込みたい物理量に対応する演算子、 \(o_i\) はその物理量が取るべき期待値です。
以下の項目では、各物理量に対する \(w_i\) と \(o_i\) を指定します。
Num Electrons#
活性空間内の電子数が Active space
欄で指定した Number of electrons
の値に制限されるようなペナルティ項の重みを入力します。
Spin \(S^2\)#
全スピン演算子の2乗 \(\hat{S}^2\) の期待値が指定した値に制限されるような
ペナルティ項の重みを入力します。
SCF Settings
欄で指定した Multiplicity
の値が
\(2S+1\) のとき、 \(\hat{S}^2\) の期待値は
\(S(S+1)\) に制限されます。
Spin \(S_z\)#
\(z\) 方向のスピン演算子 \(\hat{S}_z\) の期待値が指定した値に制限されるような
ペナルティ項の重みを入力します。
またその指定値を Sz target value
に入力します。
SCF Settings
欄で指定した Multiplicity
と、
Active space
欄で指定した Number of electrons
のもとで
取り得る \(\hat{S}_z\) の値が有効な入力となります。
Chemical properties#
求めた電子状態に対して計算したい物理量にチェックを入れ、必要なパラメータを入力します。
Num Electrons#
活性空間内の電子数です。
Spin \(S^2\)#
全スピン演算子の2乗 \(\hat{S}^2\) の期待値です。
Spin \(S_z\)#
\(z\) 方向のスピン演算子 \(\hat{S}_z\) の期待値です。
Dipole moment#
双極子モーメントの期待値 \(\langle \Psi | \hat{\mu} | \Psi \rangle\) です。
計算対象にしたい状態を States
欄に 0, 1, ...
のように入力します。
Transition dipole moment#
遷移双極子モーメントの期待値 \(\langle \Psi_j | \hat{\mu} | \Psi_i \rangle\)
が表示されます。
計算対象にしたい状態のペアを State pairs
欄に (i,j), (i,k), ...
のように入力します。